NIFS SPORTING CO-OP

  
×ウィンドウを閉じる    

CO-OP(産学連携教育)の歴史と概要

 [産学連携教育の歴史]
  日本でインターンシップと呼ばれ,広く実施されている産学連携教育プログラムは,東北経済産業局の資料(2004)のよれば,1906年に米国のシンシナティ大学において誕生しました. 同大学長のハーマ・シュナイダーによる「どの職業にも,講義はなく,実際の仕事場でしか学べないものがある.実務を経験することによって培われた判断が理論を補う.」 という理念に基づき開発されたものであり,いわゆる理論と実践の反復教育の重要性を求める形で進められてきました.
  米国では,急速な産業の発展に伴い,専門職教育の一環としてより現場に即した実践力を高めるプログラムとして産学連携で行うコーププログラムやインターンシップが盛んに実施されるようになりました. 斎藤(2003)の報告では,米国Cooperative Education & Internship Association(CEIA)が行ったコープ教育調査では, 米国企業で採用される大学新卒者の約60%の者がインターンシップを経験していること(1995年調査)や 企業が評価する効果的な採用方法においてインターンシップ経験(1位)・コーオプ教育経験(2位)(2002年調査)に上げられているということから,大学・企業双方で産学連携教育を重要視していることがわかります.

[CO-OPプログラムとは]
  (財)岐阜県産業経済振興センターの報告によれば,米国で始まったCO-OPプログラムを含めたインターンシップの実施形態には多種多様なものがあります. 日本においては,その中で第2番目のプラクティカム形態(日本でのインターンシップ)の実習が広く行われています. この形態の特徴は見習い・体験型という扱いであり,短期間で無給となる場合が多く,本学の学外スポーツ指導実習などもこれにあたります. 第5番目のコーププログラムは特に産学連携を重視したもので,本学のNIFS SCO-OP実習はこれにあたり,スポーツ産業界と大学の連携のもと,     従来の日本のインターンシップよりも更に専門的かつ実践的な実習内容となり,長期間で有給となることを目指しています.

1.シャドウィング
専門家や経営者の仕事について,短期観察して学習する.影のようについて歩く様からシャドウウィングと呼ばれています.

2.プラクティカム
短期間での専門分野での実習体験.教育実習を始めとし,専門性の高い分野において多く導入される.日本でも古くから行われています.

3.フィールドスタディ
見学的要素が強い体験型学習プログラム

4.サマーインターンシップ
通常3ヶ月以内,夏期休暇中に行われるインターンシップ.3ヶ月限定のプロジェクトに取り組むことが多い.

5.コーププログラム
大学就学期間中に行われる.産学連携が強く,専門分野での実践的実習で,各学年に4ヶ月程度の実務をこなし,有給であることが多い.



 [産学連携教育の中でのCO-OPプログラムとインターンシップ]
  Co-op Programとして確立した産学連携教育は,米国の高等教育の経験学習法,あるいは産学連携の教育法の一つとして位置づけられ, その多様性への変化を経て,「Internship」として,広く大学教育に普及してきた.日本の大学においても各種インターンシップとし広く普及しています.
  まず両者共通の部分は「大学が企業を始めとする各種の実習施設と連携するという実践的教育方法」で,両者の違いは,「Internship」は受け入れ先となる実習施設が主体で運営・管理を行うということです. 学生はプロの仕事観察・見習いというものが目的で,無給の場合が多く,大学が休業する期間に実施されます.   これに対して「Co-op Program」では,産業界やビジネス界と強い連携のもと,大学が主体的に授業カリキュラムの一部として運営・管理を行っています. 学生達は自分の専門分野の学習とそれに関連した実際の仕事を経験します. こちらは修業期間に行われ,有給の場合が多く,一定の期間ごとにプログラムを受けることによって,学生の専門分野でのキャリアゴールと,深く関連した仕事に就くというように, 学問と仕事を一つのカリキュラムに融合しているのが特徴です.

 【インターンシップイメージ】
  本学で行われている学外スポーツ指導実習のように,実習として単位取得目的のタイプのものや,実習施設が提供するインターンシッププログラムを学生個人が, 就職活動・キャリアゴールへのスキルアップを目的で参加すようなタイプのものもあり,無給で行われる場合が多い.

 


 【CO-OPプログラムイメージ】
  大学が企業と強い連携のもと,主体的にCo-opプログラムをカリキュラムの一部として運営・管理を行う.そのためその責任は全て大学側にあります. プログラムの実施期間はインターンシップよりも長期である場合が多く(3〜4ヶ月),プログラム内容もより専門的かつ実践的となり,有給である場合が多い. また,大学・実習施設側からは学生に厳しい選定基準を設け,高い専門知識・スキルを持つ学生のみをプログラムへ輩出します.

 


 【引用】
1)山内孝治 (2001)学生のキャリア意識を育むインターンシップ制度 〜現状の課題と今後の展望〜,
   「岐阜を考える 特集:インターンシップ (財)岐阜県産業経済振興センター」 No112,2001(一部修正)
2)東北経済産業局産学官連携機関事業(2004)―アメリカにおけるインターンシップ―    http://www.tohoku.meti.gojp/sangaku/intern/5/2/.htm
3)斎藤敬子(2003)米国における産学連携教育の現状    http://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/subcommission/15th/15-6.pdf
4)(財)岐阜県産業経済振興センター(2001)「岐阜を考える 特集-インターンシップ-」No.112,2001.


×ウィンドウを閉じる このページのトップへ




Copyright (c) 2001-2009 Interdisciplinary Research Center for Lifelong Sports and Physical Activities, NIFS All rights reserved.